俺はおとなしくしていられる筈がなく、自由な足を神林に向けて思いっきり振った。 が、容易に受け止められ、足を掴まれる。 見掛けによらないこいつの力を思い知った。
「あっぶないな~~、そんなにしたら脱がせられないでしょ」
「脱がねぇ、絶対」
「、、、、もう、めんどくさいよ、お前」
突然、神林が変わる。かもし出す雰囲気がさっきとは違う。 その雰囲気は冷ややかで、狂気すら感じる。
どうやら、俺は神林のスイッチを入れてしまったようだ。 こんな感じの奴は、何人か知ってる。
そいつらはキレると何をするか分からず、恐ろしい。 きっと、神林もそんなタイプだ。
何をされる?
俺は神林の行動を見つめる。 やつはズボンのポケットからジャックナイフを取り出し、俺のほほをそのナイフで撫でてきた。
「動くと切れるよ、持田しっかり持っててね」
そう言って握っていた俺の脚を床に固定させ、俺のズボンと腰の間にナイフを入れそのまま引き裂いた。 俺の左側の腿から膝までの皮膚をも一緒に。
「うぁあぁぁっ!」
「あ、ごめんね、切れちゃった」
言葉は謝っているものの、声は冷淡で、笑いすら含んでいた。
その傷からは血が溢れ出し、少し深く切っている事が分かる。 暴れようと試みるが、持田と神林にしっかりと固定され、身体は動かない。
それでも、俺は、痛みに顔を歪めながら、神林を睨みつけた。 俺に出来る抵抗はこれくらいしか残っていなかった。
「睨む元気がまだあるんだ、ふふ」
やつは、楽しそうに笑い、ナイフに付着した俺の血をぺろっと舐めた。 そして、ナイフを床に突き刺し、あらわになった俺の脚についた傷に爪を立て、広げながら、移動させてくる。
「ひっ!、、、くっ、、、、、」
「あはは、痛い?ね、今里くん、痛い?痛いよねぇ~」
指は何度も上下し、その都度血が、次から次へ湧き出る。 血の匂いが部屋に充満していった。
「ぐっ、、、、、うぅ、、、」
俺は傷から伝わる壮絶な痛みに、必死に耐えた。声を出し、叫べたら、まだ気もそれるかもしれない。 だが、俺はそれをする事を拒否し、絶え間なく襲う痛みに湧き上がる悲鳴を、奥歯をかみ締め、堪えた。
その時、それまで黙っていた壁の男が口を開いた。
「神林、その辺でやめとけ、やりすぎると後が面倒だ」
「・・・松尾。・・・・・・・・・・そうだね」
松尾という男にそう言われ、ふっと指が離れた。 ほっとしたのもつかの間、傷ついた方の脚を立て、尻に手をのばしてくる。
薬を入れる気だ。 こいつの事、どんな薬か分からない。
過去の仲間も何人かそれによって、自ら廃人へと変貌していったのを俺は目の当たりしていた。 だから薬だけは手をださなかったのに。
それだからか、知らずに、俺は口を開き、懇願していた。
「っ、、や、めてくれ、、、」
俺の言葉は、当然無視され、神林は、そのまま俺の尻にカプセルを突っ込んだ。
「っ、、」
「ごめんね、こんな傷つけるつもりなかったんだけどね、君、うるさいんだもん、あ、持田もういいよ」
「あぁ」
持田の拘束から開放された俺は、床に倒れる。 力なく、床に這い、脚の痛みと尻の違和感を感じてた。
「それね、FOXっていう薬でね、安心して、合法だから。それに、きっとその痛みも消してくれるよ。もう少ししたら効いてくるから、我慢してね」
神林は、にっこりと笑顔を俺に向け、立ち上がった。
合法もなにもあるか、常習性・危険性なんて、合法だろうが、非合法だろうが、同じだ。
何時もの俺なら、なにか、悪態をついている所だけど、生憎もう、しゃべる気力も失っていた。
続く・・
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